日本を代表するトップ・チェリスト4人で構成され、高い人気を誇るアンサンブル『ラ・クァルティーナ』の新作。4本のチェロによる、バーバー『アダージョ』の美しさは圧巻。時にはオーケストラ、時にはパイプ・オルガンの如く鳴り、聴き手を魅了します。

　大巨匠にして、日本にハープという楽器をもたらした、ヨセフ・モルナール。現在世界で活躍中の邦人ハーピストで、彼に教えを乞わなかった人はいないと言っても過言ではありません。その世界的規模の音楽的貢献に対して、’02年にはオーストリアから勲一等十字文化勲章を授与。現在は、ウィーンと日本を拠点に活躍中。今回は、自作3曲、自らの編曲3曲を含む意欲溢れるプログラムです。

　ここに聴く工藤重典の演奏ほど、作品は名演奏家を得て新しい生命を与えられ生き返る、そんな実感に浸らせる例もないだろう。演奏家の中に蓄積された内なる心と技とでとらえられた作品は、まさに湧き出るような初々しい生命力をたたえながら、最高の喜びの調べを奏でていく。
（諸石幸生）

　今や日本を代表するチェリスト、藤森亮一が久々の大曲に挑みます。
　深みを増した音色と見事なテクニックで謳い上げる、圧巻の『アルペジョーネ』に加え、清楚で格式高い美しさが魅力の『雨の歌』を収録した、必聴の1枚です。

　シューマンの音楽はつねに「行間」に秘密のメッセージが隠されています。 シューマンの分身であるオイゼビウスとフロレスタンは「Ｅ」と「Ｆ」の音として、クララは「Ｃ」と「A」の音として意識されている曲がいかに多いことでしょう。 ピアノ協奏曲や『トロイメライ』を始めとして、このアルバムでは『スケルツォとインテルメッツォ』『Op.94』『Op.70』『Op.56』がそれにあたります。（磯部周平●ライナー・ノーツより）

モーツァルトにより作曲された
『1本の管楽器を含む
　四重奏曲』 全5曲を収録
　モーツァルトにより作曲された『1本の管楽器を含む四重奏曲』の全5曲を網羅した貴重な全集が、リマスタリングにより、音質も向上して復活しました。
　均質な響きの弦楽四重奏とは違い、管楽器パートに華やかなソロを配したスタイルで、名手、工藤のフルートが冴えます。

　タイトル『バラ色の光り輝く雲が、ゆったりと流れ』は、ヴィラ＝ロボスのアリア（原作は歌曲）の歌詞より採られたもの。ベルギーが誇る世界的ギタ−奏者、ストルムズの演奏に支えられ、色彩豊かに歌う藤村。二種類の弦楽器による、繊細な響きと、情感を湛えた演奏は、聴き手を魅了します。